プロトピック情報局:タクロリムスとランゲルハンス細胞の関係

タクロリムスとTGF-β1はLangerhans細胞の形質転換に相乗的に作用

出典:Kwiek, B. et al. J Allergy Clin Immunol 2008, 122[1]:126-132

概要:

タクロリムスおよび形質転換増殖因子-β(TGF-β1)が表皮前駆体のランゲルハンス細胞の分化に及ぼす影響を調査。タクロリムスとTGF-β1はランゲルハンス細胞の発生およびCD40、CD80、CD86、CD83、およびMHC-IIの発現に対し相乗的に作用する。この組合せはTGF-β受容体IIの発現を安定させ、T細胞に対するランゲルハンス細胞の刺激能を低下させた。タクロリムスの治療効果は、樹状細胞集団のバランスをランゲルハンス細胞の形成に有利となるよう調節する働きに依存している可能性がある

感想・解説:
プロトピックでも治らない、プロトピック効かなくなるという現象に対して、一考を与えてくれる報告かもしれない。ランゲルハンス細胞は、T細胞(ヘルパーTリンパ球:Th)にアレルゲンの侵入を通知する役割をもつ細胞。プロトピック治療による快癒には、TGF-β1との相乗作用によるランゲルハンス細胞のアレルゲンに対する活動低減の有無がキーとなるのかもしれない。